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シットコムで笑え! 海外ドラマ「フレンズ」英語攻略ガイド: フレンズ シーズン5
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ジョーイが主演するはずの映画は、資金不足で中止になってしまいます。ですが、フレンズたちはまだそのことを知りません。
[Scene: Monica and Rachel's, the phone is ringing.]
モニカとレイチェルの部屋。電話が鳴っている。
モニカ: (answering it) Hello? ([電話に出て] もしもし?)
ジョーイ: (on phone from Vegas) Hey, Monica, it's Joey! ([ベガスからの電話] よお、モニカ。ジョーイだ!)
モニカ: Hey, Joey! Aww, you remember me even though you're a big star! (まぁ、ジョーイ! あー、私を覚えててくれてるのね、あなたは大スターだっていうのに!)
ジョーイ: Aw, come on! It'll be years before I forget you! (あー、よせよ! 俺がモニカを忘れるには、何年もかかるよ。)
モニカ: Joey, what's it like on a movie set, huh? Do you have a dressing room? Do you have a chair with your name on it? (ジョーイ、映画セットにいるってどんな感じ? あなたには楽屋があるの? あなたの名前が書いてある椅子があるの?)
ジョーイ: Uh, well yeah-yeah, I got all of that going on. Yeah, listen uh, I want you to make sure you tell Chandler that he couldn't have been more wrong! Uh-oh! I gotta go, Monica. My uh, my sushi's here! (あー、そうだな、そう、そうだよ。そういうの全部あるよ。そうだ、ねぇ、必ずチャンドラーに言っといてよ、チャンドラーはこれ以上ないくらい間違ってたって。おっとー、モニカ、俺、行かなくちゃ。俺の、俺のスシがきたんでね!)
[Cut to Joey hanging up the phone in Vegas. He's wearing a Roman gladiator's uniform and goes over to join a family to pose for a picture. You see, he's apparently taken a job at Caesars Palace.]
ジョーイがベガスで電話を切る場面に切り替わる。ジョーイはローマ時代風のグラディエーターの服[軍服]を着ていて、ある家族のところに行って、写真のためにポーズを取る。おわかりのように、ジョーイはどうやらシーザーズ・パレスでの仕事に就いたらしい。
ジョーイ: (to the family) Sorry about that. Thanks for waitin'. ([その家族に] 今のは[電話してて]ごめん。待っててくれてありがとう。)
その家族の夫: Okay! (いいよ!)
ジョーイ: Everybody smile! (The picture is taken) Okay, thanks a lot! Enjoy your stay at Caesars! We hope it's toga-rific! (The family leaves.) Kill me. Kill me now.
ラスベガスから、モニカの家に電話をしてきたジョーイ。
ジョーイの映画が中止になったことを知らないモニカは、映画の主役に抜擢されたジョーイを、ビッグスター扱いしています。
even though は「…であるのに、…にもかかわらず」。
すごい大スターで有名人になったのに、昔の友達の私のことを、以前と変わらず覚えていてくれてるの?みたいなお世辞ですね。
It'll be years before I forget you! を直訳すると、「俺が君を忘れる前に[までに]、何年もあるだろう」みたいな感じですね。
研究社 新英和中辞典では、以下の例文が載っています。
It will be long before we meet again. 「今度お会いするのはずっと先のことでしょう」
(用法:before の導く節が意味上は未来に関することを表わしていても述語動詞は現在形を用いる)
これも、「私たちが再び出会う前に、長い期間があるでしょう」ということから、上のような意味になるのですね。
この例文の long を years にしたのが今回のセリフということになります。
ジョーイがこのセリフを言った時、観客の笑い声(ラフトラック)があり、モニカは「あらら」というような顔をしています。
ジョーイを大スターのように扱ってあげたのに、あまり嬉しくないセリフで返された、というような表情に見えます。
その様子から判断すると、「モニカを忘れるには何年もかかるよ」というのは、モニカという人物の印象が強烈すぎて(笑)、忘れたくても忘れられない、一日や二日で忘れられるものじゃない(→忘れるためには何年もかかる)という意味のセリフなのかな、と思います。
モニカは、一瞬そのように、妙な表情を浮かべますが、また気を取り直して、映画に関することを質問します。
What's it like on a movie set? の What's it like? は「どんな感じ?」ですね。
What's it like to do? や、What's it like doing? なら、「…するのはどんな感じ?」という意味になります。
It is like A to do. / It is like A doing. 「〜することはAのようだ」の like の後に来る部分(A)を、疑問代名詞 what で問うているわけですね。
その場合の it は、to do や doing の仮主語ということになります。
今回のセリフ What's it like on a movie set? は、「on a movie set で、どんな感じ?」と尋ねている感覚ですね。
この場合の it は「漠然とした状況」を指しているのでしょう。
on a movie set は「映画のセットの上に乗っている」ような感覚で、そういうセットの中で行動している今の状況はどんな感じ?という質問になります。
dressing room は「更衣室、支度室、着替え部屋」みたいなことですが、映画などの場合だと「楽屋」がふさわしいでしょうか。
直訳すると、「あなたは1つの楽屋を持っているの?」ということなので、他の人と一緒の大部屋に押し込められているのではなく、主演俳優として楽屋を一つ与えられてるんでしょう?と言っていることになりますね。
a chair with your name on it の with は「付帯状況」を表し、「あなたの名前がその椅子の上にある椅子」→「あなたの名前が書いてある椅子」になります。
これもまた、主演俳優専用の椅子があるんでしょう?と言っていることになります。
I got all of that going on. の got は、have のニュアンスだと思われます。
have all of that going on で、「それ(モニカが今言ったようなこと)の全部が進行中である状態を持っている」みたいなことで、モニカが言ったように、個室の楽屋もあるし、名前の書いた椅子もあると返事していることになります。
I want you to make sure you tell Chandler that の make sure (that) は「間違いなく〜するようにする、必ず〜するように計らう」ですから、「間違いなく that 以下のことをチャンドラーに伝えて欲しい」ですね。
I want you to tell Chanlder that と同じようなことですが、make sure が入ることで、「必ず、間違いなく、もれなく」チャンドラーに伝えてよ、と念押ししている感じが出ています。
he couldn't have been more wrong の he はチャンドラーで、wrong には「悪い」という意味もありますが、ここでは「間違った、誤った、正しくない」という意味で使われているようです。
couldn't... more wrong で「それ以上、間違えることができなかった」→「これ以上はないと言うくらい、最高に・絶対的に間違っていた」ということが言いたいように思います。
I couldn't agree (with you) more. が、「これ以上同意することなんてできない」→「全く同感です」という意味になるのと同じで、「これ以上…である・になることを否定する」ことで、そのレベルが最高であることを表現する方法ですね。
ここでジョーイが言いたいのは、「俺の大ブレイクじゃない、本当の映画じゃない、ってチャンドラーは言ってたけど、今言ったように俺は主役として良い待遇を受けてるんだから、チャンドラーが言ったのは大間違いだったぞ」ということでしょう。
さらに、主役のVIP待遇であることを示すために、「俺のスシが来た」とも言っています。
お寿司を高級料理のように言っているわけですから、日本人としてはちょっと嬉しいですね。
その後のト書きにあるように、電話を切った後のジョーイの姿が映りますが、古代ローマの剣闘士(gladiator)の扮装をしています。
まさに、ラッセル・クロウ主演の映画「グラディエーター」の世界ですね。
そういう衣装を着て、お客さんと写真を撮っている、その様子から、Caesars Palace での仕事に就いたらしい、というト書きもあります。
このホテル、ラスベガスに実際に存在するホテルのようです。
Caesars Palace Las Vegas
Wikipedia 英語版: Caesars Palace
ウィキペディアの枠内の説明にあるように、Theme: Roman Empire 「テーマ:ローマ帝国」なので、ジョーイはこんな恰好をしているわけです。
Caesar は、古代ローマの将軍 Julius Caesar 「ジュリアス・シーザー(ユリウス・カエサル)」のことですね。
palace は「宮殿」。
ネットスクリプトのト書きでは、Caesar's Palace のように所有格のアポストロフィーがついており、後のジョーイのセリフも、DVD英語字幕では、Enjoy your stay at Caesar's! のようにアポストロフィーがついていますが、アポストロフィーのつかない Caesars Palace が正式名称のようです。
上のウィキペディアの History に以下の記述がありました。
It is called "Caesars" and not "Caesar's" because every guest is a Caesar.
つまり、「呼び名(ホテルの名前)は、"Caesars" であって、"Caesar's" ではない。それは、すべての客が a Caesar 「一人のシーザー」だからである」。
つまり、Caesar's としてしまうと、「あの」ジュリアス・シーザーの宮殿、ということになり、ゲストがその宮殿にお邪魔していますみたいな感じになってしまいそうだけれども(??)、このホテルは「訪れたお客様一人ひとりがシーザーである」ようにおもてなしをするのがコンセプトなので、シーザーたちが集まる宮殿という意味で、複数形の Caesars を使っている、ということのようです。
複数形で所有格にする場合は、Caesars' のように、複数形にした後、アポストロフィーをつけることもありますが、この場合は、複数形を形容詞的に使っていると考えたら良いかなぁ、と。
かなり有名なホテルのようで、ウィキペディアの Film history や Television の項目を見ると、いろいろな作品に登場していることがわかります。
Television のところでは、ちゃんと今回のフレンズのことも書いてありますね。
ローマ時代のグラディエーターの恰好をして、お客さんと一緒に写真に納まるジョーイ。
シーザーズでの滞在を楽しんでね、と言った後、We hope it's toga-rific! と言っています。
toga-rific は恐らく、terriflc 「素晴らしい、素敵な」のもじりでしょう。
toga は「トーガ」という、古代ローマ人が着ていた外衣のことですね。
Wikipedia 日本語版: トガ
Wikipedia 英語版: Toga
上のウィキペディアには、トーガの絵なども載っています。
We hope の we は、「ホテル従業員の私たちは(滞在が素敵なものとなるように祈っています)」という感覚でしょう。
ジョーイのような写真撮影用のバイトも含め、おもてなしする側の人間を we と表現しているわけですね。
写真撮影の後は、必ずお客さんにこう言うように、と命じられている感じがします。
笑いながら客を見送ったジョーイですが、その後、落ち込んだ様子で、Kill me. Kill me now. と言っています。
映画の主役だと張り切っていたのに、写真撮影用モデルのバイトでこんな恰好をしている自分がみじめになってきたのでしょう。
「誰か、今すぐ俺を殺してくれ」というのは物騒な表現ではありますが、自分の境遇に悲観した時にはつい口から出てしまう表現のようですね。
フレンズ1-10 では、大晦日を恋人なしで過ごすことに耐え切れず、ジャニスを誘ってしまったチャンドラーが、大晦日のパーティーでジャニスと一緒に写真を撮っている時に、
チャンドラー: Kill me. Kill me now.
と、今回のジョーイと全く同じフレーズを言っていました。
これも、思わず誘ってしまったけれど、やっぱりジャニスはうっとうしかった(笑)ので、そういうことをしてしまった弱い自分を嫌悪して、「もうこんなダメな俺は消えてしまいたい。誰か俺を消してくれ」のニュアンスで言っている感じですね。
今回のジョーイのセリフ、フレンズ1-10 のチャンドラーのセリフが、どちらも写真撮影の際(もしくは後)のセリフであるのは偶然とはいえ面白いです。
カメラを向けられると、それ用の顔をしてしまうものの、そのカメラに向けている顔と自分の心情とのギャップを考えると、余計に今の自分の姿がみじめになってしまう、ということかもしれませんね。
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