日記帳
【息子の新バイオリン、デビュー】
息子の身長がようやく145cmを超えた。バイオリン奏者にとって145cmは重要である。フルサイズの楽器が使えるようになるからだ。楽器の鳴りは、当然本来の大きさが一番。4歳で始めた時は、ダンボール製のペーパー・バイオリンが与えられ、以来 12分の1、10分の1、8分の1、4分の1、2分の1、4分の3、と身体の成長と共にサイズアップしてきた。10分の1はボストン市ニュートンにある Johnson String Instrumentで購入したものの、全てのサイズを買い揃えるのは経済的負担が大きいので、それ以外は教師や生徒のお古をお借りして使用してきた。
フルサイズはこれから一生使えるので、先月家族で楽器屋を回り、大枚を叩いて息子の気に入った1840年頃のフランス製バイオリンを買った。(私は通常ケチだが、楽器には甘い!)バイオリンの購入までの顛末は、売ってくれたお店のホームページに、多少営業用に脚色された記述があるので、ご参照あれ。⇒ バイオリン購入
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今回の演奏は、有名なモーツアルトのアイネ・クライネ・ナハト・ムジークの4楽章をピアノ伴奏で演奏。楽器が良くなったからと言って、直ぐに上手く演奏出来るわけではないが、楽器の音色の良さに気づかれた方も数名いらした。今後、もっと練習して楽器に相応しい音楽を演奏できるように、と願うばかりである。早く、対等に合奏したいものだ。
【難曲プーランクに再挑戦】
この曲は、2001年の2月に1度挑戦し大変不満足な出来であった。力んでしまい、特に高音域での早い動きの多い3楽章は惨敗状態だった。(以前の日記「ホームコンサート」参照) 今回はそのリベンジとなるが、特にこの2年間「如何に力を抜いて吹くか」を心掛けてきた成果が徐々に出てきたので、このタイミングとなった。
フルートとピアノは対等であるため、ピアノも極めて難しいソナタであるが、Iさんの伴奏で前回より良く演奏ができた。80点位の出来栄えだったと思う。
最初の電話をした男
プーランク作曲フルートソナタ: 今世紀最高のフルート・ソナタと言われ、ドビッシーの曲に触発され1957年に作曲された。第2次大戦後の作曲にしてはオーソドックスな内容であるが、楽章ごとの変化が激しく構成が難しい。第1楽章は個性的なアフタクトの16分音符から始まるモチーフにより、これから始まる不安な心理状況を暗示する。第2楽章は極めて情緒豊かでアンニュイなメロディー。メロディスト、プーランクのおそらく最上に美しいカンティレーナ。第3楽章は一変して3オクターブ目の高音での速い動き(この運指が難しい)が多い軽快でエスプリ溢れる曲である。
【ガンバが戻ってきた】
アンサンブル・ボストンには、今回からTさんのビオラ・ダ・ガンバ(以下ガンバ)が戻り、低音部が拡充された。2002年から2003年の2年間Tさんは入っていたが、その後私のフィリピン転勤でアンサンブルは中断。私が帰国したら、今度はTさんが上海へ転勤していた。Tさんのガンバはその間に壊れてしまったので、今般新品を購入し、6年ぶりに当アンサンブルに復帰した。
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Tさんは、私と同じ会社に勤めており、若い頃も合奏したことがあった。元々ギターから古楽器に移り、ガンバ、リコーダーなど演奏している。ルネサンスからバロック時代の音楽については、相当造詣が深いので、バロックを中心とした当アンサンブルでは、ブレーン的存在。
今回は、ヘンデルのトリオ・ソナタを演奏。通常A=435程度でチューニングしているガンバには、現代楽器のA=442に無理して合わせてもらった。ガンバの弦は7本あるが、何れも本物のガット(羊の腸)を使用しているため温度や湿度の変化に敏感で、時には楽章ごとにチューニングが必要となる。以前、真冬に教会で演奏をした際、室温の上昇と共に音程が大きく狂い困ったことがあったが、今回はそういうことは起こらず比較的スムーズに演奏できた。
折角なので、Tさんにはガンバの独奏曲も演奏してもらった。息子にバイオリンを教えていただいているY先生の演奏、Iさんのピアノ独奏もあり、いつもの様に演奏前のおしゃべりや演奏後の懇親会と、楽しい夏の1日となった。
【我が家が取り持った再会】
Y先生は、その昔Iさんの通った中学の音楽科教諭だった。
我が家とY先生は、隣人の紹介で7年前から息子にレッスンをしていただくようになったご縁。一方、Iさんは、奥様が私と同じ会社に勤めている関係で昨年ご紹介頂いた。
昨年12月、Iさん宅でのホームコンサートに息子が出るのでY先生が聴きに来られた際、Iさんと20数年ぶりに偶然再会した。(最初は、Y先生の名字が変わっていたので、気づかず) そこで、今回はY先生も演奏に参加することになった。
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